今日は少し(少し?

)長くなりますが、どうして私が香りの世界に魅せられていったのかを書いてみようと思います。
私がアロマテラピーに出会ったのは6年ぐらい前。
長男のアトピー改善に役に立つことがあればと思い、学び始めたのがきっかけでした。
アロマを学んでいくなかで、それまでの私の意識、生活を大きく変えるきっかけになったものが二つあります。
まず一つは解剖生理学。
解剖生理はグロテスクだし、訳わからないし、大嫌いだったのですが、これを勉強しないことにはセラピストになれません。
「私は精油の勉強がしたいのに、なんでこんなこと・・」とふてくされながらの勉強のはずが、
知れば知るほど感謝の思いが溢れてきて涙が止まらなくなったのです。
実はその当時、私は自分の体が嫌いでたまりませんでした・・・
初めての子供を妊娠したときは、嬉しくていつも自分の体に話しかけていました。
自分の体の中に小さいけれど確かな命を感じてまだ膨らんでもいないお腹をなでながら「元気に大きくなってね」と。
正確にはお腹ではなくて赤ちゃんに話しかけていたのですが
それでも日に日に大きくなっていくお腹が赤ちゃんの成長を伝えてくれている気がして本当に愛おしかったのです。
でも二人目を出産した後、妊娠線も残り、たるんでしまったお腹を見るのも触るのも嫌で、二人の子供の育児におわれながら体が悲鳴をあげているのも聞かないふりしてほったらかしていました。
その直後、長男が3歳、次男がまだ6ヶ月の赤ちゃんの時に緊急で大手術を受けることになったのです。
なんとか一命は取り留めたものの、体にはいくつもの手術の傷跡を残すことになりました。
ますますそんな自分の体が嫌いになって完全に目を背けるようになってしまった私はその2年後にアロマテラピーと出会い、解剖生理学を学び、そして知ることになるのです。
欲望のままに暴飲暴食したり、夜更かししたりして、体を酷使しているのに私の細胞は私の命を守ろうと24時間休まず働き続けていることを。
忘れもしない、死にそうになっていたあの瞬間も・・・。
なのに私はその体を「醜い」と嫌い、体からのメッセージに耳を傾けることもせずに酷使し続けていたのです。
それに気付いてから自分の体が心から愛おしく感じられるようになりました。
決して傷跡がなくなったわけでも、たるみや妊娠線がなくなったわけでもありません。
でも物理的に変えようのないものであっても、自分の心のあり方一つでこんなにも優しい気持ちで受け入れられるのですね。
そしてそれは表情やしぐさ、話し方まで変えてしまうほどの大きな力を持っていて、見た目は何も変わらないのに私の体は明らかに輝きを取り戻したように感じました。
それからは自分の体の細胞たちに「今日もありがとう」と言いながら自分で自分の体を抱きしめます。
余裕があるときはお風呂上りに精油をブレンドしたオイルでゆっくりマッサージします。
子供も大人も褒められると嬉しくてそれに応えようとするように体の細胞たちも不思議と応えてくれるのです。
一生そばにいて、命を紡いでくれる、たった一つのかけがえのない体。
その自分の体を愛せるようになったら、他人の体も同じようにとても愛おしく感じられるようになりました。
そしてもうひとつ私を虜にしたのは精油を使った手作りの化粧水です。
以前は高級化粧品を使い、一回のスキンケアに何種類もの液体やクリームを塗っていました。
それだけでは物足りず、もっといい美容液が出たと聞けば急いで買い、美容院で薦められる高いシャンプーを使い、夜更かしが続いてはその埋め合わせをするかのように美容ドリンクやサプリメントを飲んでいました。
綺麗になりたくて仕方なかったのです。
初めて精油を使った化粧水を作ったとき、当時の私は1万円もする化粧水を使っていましたから
「水に精油を落とした程度のもので本当に化粧水だなんて言えるの?」と正直思いました。
でもその晩、手作り化粧水を使ったときのことを今でもよく覚えています。
確かに使い心地は明らかに違いました。
それまで使っていた化粧水はとろみがあってつけた後の肌はもちもちしていてとても潤ったように感じていましたが、精油の化粧水は普通の水のようにさらっとしていてどんどん肌に吸い込まれていくばかり・・・
ただ、そのときのラベンダーの香りが何とも心地よくて本当にラベンダー畑にいるみたいに感じました。
一日の始まりと終わりにそのラベンダーの香りを嗅ぐのが楽しみとなり、作った化粧水を1本使い切ったとき、もうその化粧水は私にとってはなくてはならないものになっていました。
以前使っていた化粧水のようなつけた瞬間のもちもち感はなかったものの、肌のトーンは明らかに明るくなり、輝いているように感じたのです。
それまでは「あ~疲れた・・・メイク落とすのも面倒だな。でもこのままにしておくと肌荒れになるし・・・」と思いながら渋々していたスキンケアの時間がラベンダー畑を味わう至福の時間へと変わりました。
そして歯磨き粉、石鹸、ハンドクリームなど、身の回りのものは次第に精油を使ったものを手作りするようになりました。
精油を使ったスキンケア、バスグッズは作り方も内容もとても素朴でシンプルなものです。
でもその香りを肌にのせる時、そこに詰まった大自然のパワーが体中に染み渡っていくような気がするのです。
自然とはかけ離れた現代の生活の中で、自然と繋がるスキンケアタイムは自分の体と向き合い、愛おしみ、感謝する至福の時間。
そういう時間を味わうことは、高級化粧品を使う以上に人を内面から輝かせることをラベンダーの化粧水が気付かせてくれました。
こうして私は香りの魔法に魅せられ、
「私達の本当の健康や美しさは大自然との繋がりを感じ、自分もその一部だと受け入れることから始まる」
ということを学び、それは私のアロマセラピストとしての考え方の大きな基盤となっています。
人は薬で健康になるわけでも化粧品で綺麗になるわけでもないのですね。
香りにはそれぞれの薬理作用があり、知れば知るほどまるで一つの人格がそこに存在するかのように奥が深いものです。
その香りが放つメッセージに耳を傾けることが出来たなら・・・
そこには限りない魔法の世界が広がっています。
ぜひ皆さんも一緒にその魔法の世界をのぞいてみませんか?
最後まで読んでくださってありがとう

