幸福の秘密
ある若者が父親に世界でもっとも賢い男から幸福の秘密を学んでくるように言われます。
若者は40日間砂漠を旅し、ようやく賢者の城に着きますが
賢者は沢山の人たちの相手をしていたので2時間待ってようやく彼の番になりました。
彼が「幸福の秘密について知りたい」というと賢者は若者に自分の城を見てまわり、2時間後に帰ってくるように言います。
そのときに賢者は若者に油が2滴入ったティースプーンを渡します。
「城の中を見てまわる間、この油をこぼさないようにしなさい」と。
2時間後に帰ってきた若者に賢者は聞きます。
「私の城はどうだったか?」と。
若者は答えます。
「実は何も見ていません。」
彼は油をこぼさないように必死でスプーンだけを見つめながら歩いていたのです。
「もう一度戻って私の世界の素晴らしさを見てくるがいい。その人の世界を知りもしないのに信用してはならない」
若者は今度は城の中の素晴らしい芸術品を、庭を、周りの自然の美しさをよく見てまわりました。
そして戻ってくるとそれらがどんなに素晴らしかったか、心奪われたかを賢者に話しました。
すると賢者は「で、君に預けた油はどこにあるのか?」
そう、彼のスプーンの油はいつの間にかこぼれてなくなっていました。
そこで賢者は言います。
「一つだけ教えてあげよう。幸福の秘密とは、世界のすべての素晴らしさを味わい、しかもスプーンの中の油のことを忘れないことだよ」と。
この賢者に与えられた2滴の油が何かは人によって違うでしょうね。
どちらか一つしか見ないのなら簡単なことですが
キラキラ輝く素晴らしい世界に心を奪われながら油をこぼさないようにするのはとても難しいことです。
気をとられすぎてバランスを崩せばあっという間にこぼれてしまうでしょう。
そして油をこぼしてしまった時、油だけではなく、素晴らしかった世界もその輝きを失うのです。
「世界のすべての素晴らしさを味わい、しかもスプーンの中の油のことを忘れないこと」
ブレーキのきかない猪突猛進の私にとって、いつも心に留めておかないといけない大切な教訓の一つです。
今日もスプーンの中にある2滴の油に感謝して、世界の素晴らしさを堪能したいと思います

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